カバーで書名隠し販売の謎の本「文庫X」ヒットSNSで一斉に投稿

ブックカバーでタイトルや著者名を隠したまま販売するユニークな手法が話題を呼び、全国で異例の売れ行きとなった1冊の本「文庫X」が、そのベールを脱ぐ。

企画した盛岡市の「さわや書店フェザン店」が9日にタイトルを公表。著者を招いてトークイベントを開催する。

謎の本「文庫X」ヒット=カバーで書名隠し販売-9日タイトル公表・盛岡の書店

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 考案した店員の長江貴士さん(33)は「いつか公表しなければと思っていた。文庫Xという衣装ではなく、本の中身に関心を移したい」と話す。

 「申し訳ありません。僕はこの本を、どう勧めたらいいか分かりませんでした」「読んで心が動かされない人はいない、と固く信じています」。長江さんの思いがびっしりとつづられた手作りのカバーが店頭で異彩を放つ。本はビニールで包まれ、購入前に知り得る情報は、税込み810円▽500ページ超▽小説ではない-などに限られる。

 「この国に生きている全ての人に読んでほしいと思った本です」と熱く語る長江さん。ただ、「あまり人が手に取らないジャンル。普通の売り方では限られた人にしか届かない」。思案の末、謎の本に仕立てるアイデアを思い付いた。

 「中身が分からないドキドキ感も一緒に買える」「普通の売り方だったら買わなかった」。インターネット上で盛り上がり、趣旨に賛同した全国の書店も追随。この本にカバーをかけて売る店は11月末で47都道府県の650店以上に広がった。

 出版元によると、7月下旬の販売開始時点で初版3万部だったのが18万部まで重版、「このジャンルとしては異例のヒット」となった。8月中旬に始めた紀伊國屋書店グランフロント大阪店の山本菜緒子さん(32)は「この本を届けたいという書店の思いがお客さまに伝わった」と分析する。

 さわや書店フェザン店は9日、書名を明らかにする「文庫X開き」を盛岡市内で行い、「著者X」が長江さんと対談する。同店は、公表と同時に本の内容をSNSで一斉に投稿するよう「ネタバレ」も呼び掛けている。 

時事通信社 引用








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